産後クライシス対策|どう乗り越える?離婚回避のためにできること。

赤ちゃんが生まれて、幸せな家族になるはずが一。どんどん悪化していく夫婦関係。出産前には考えられないほど関係が冷え込んでいき、なんでこうなってしまったのか、このままでは離婚かも、と不安になる。こんな「産後クライシス」に悩む方も少なくありません。
私も経験しました。

産後クライシスの原因、乗り越え方、離婚回避の対策など、私の体験談もまじえて紹介します。私もつらい思いをしたので、今まさに「産後クライシス」で悩んでいる方、これから出産する方のお役にたてればうれしいです。

きっかけは何?産後クライシスの原因

「産後クライシス」として社会的に認知されるほど、産後の夫婦仲の悪化はよくあることです。
私のママ仲間も程度の差はあっても、ほとんどの人が産後の夫婦仲の悪化を経験しています。
まずは、原因を知ることで心を落ち着かせることができるはないかと思います。

原因1.子どもが生まれたことによる生活の変化

生まれたばかりの赤ちゃんとの生活は壮絶です。昼夜を問わず泣く赤ちゃんのお世話をしなくてはいけません。夜中も頻繁に授乳をし、おむつ替え。お風呂に入れるのも一仕事。いつ泣くかわからないので、自分の食事の時間すらゆっくりできません。2常に気が張った状態にあるわけです。

こうして、睡眠不足、緊張感などからイライラしやすくなります。一人で外出もままならないので、一番身近にいる夫にイライラした感情がいってしまいます。

一方、夫は妻ほどの生活の変化を実感しません。この差が夫へのイライラを募らせる一因にもなります。

私も出産後ははじめての新生児の育児は心身ともにヘトヘでした。出産前と変わらない夫に「こんなに私と赤ちゃんは大変なのに、夫はなんてのん気なんだろう」と苛立ちを感じましたし、いらいらをぶつけていました。

2.出産後のホルモンの変化

産後のホルモンのバランスの乱れで、イライラが増して攻撃的になります。
なんでこんなにイライラしているのか、本人も周りも理解できないほどイライラが増すこともあります。
子どもを守る動物として考えれば、警戒心を高め、無力なあかちゃんを守ろうとする本能は当たり前のことのように思います。

吹き出し 私も産後はいつもイライラしていました。夫にも攻撃的になって強い口調で攻め立てることも。そして、そんな自分に対して自己嫌悪を感じていました。あの時「ホルモンバランスの崩れのせい」と開き直れたなら、ちょっと心が軽くなれたのではないかと思います。

3.子育ての不安

赤ちゃんの二人の生活は不安があります。赤ちゃんのいつもとは違うちょっとした変化に不安になります。泣き止まないときなど、話ができない赤ちゃんに対して、「体調がわるいのではないか?」などと不安になったり、他の赤ちゃんと比べて発達が遅いのでは、と不安になったり。

そして、そんな不安の連続で、精神的に不安定になってしまい、疲れてしまいます。
夫に不安を話してもうまく伝わらないことが多く、ここでも夫との違いを感じてイライラしてしまいます。

私もはじめての子育ては不安だらけでした。夫に話してみても「気にしすぎじゃないの?」と言われて、かなりイライラした思い出があります。夫はよかれと思って言ったようですが。。。完全にすれ違いでした。
 

4.夫の協力が足りない

育児は妻が一人でするものではありません。夫婦で協力して行うもの。産後は授乳を含め妻がすることが多くなります。
夫は日中仕事にいっているので、どれだけ赤ちゃんがいる生活が大変なのか実感しにくいところもあります。「仕事をして帰ってきて疲れてる」という思いもあります。

これは24時間育児で働いている妻からしてみれば、決して受け入れられるものではありません。夫としては育児に協力しているつもりでも、妻から見れば「協力が足りない」と思えることが多くなります。

また、夫が手伝っていても、募る夫へのイライラから、やる気をそぐようなことを言ってしまい、夫が非協力なっていしまう、といったこともあります。こうして妻は「夫は育児に非協力」「私ばかり大変」「夫は理解してくれない」という思いを抱くことになります。

私も夫の非協力さには不満をつのらせていました。夫は協力しているつもりでいるところにも、さらにイライラしていまいした。今思えば夫なりに「精一杯」やっていたのかも、と思います。

 

5.コミュニケーション不足

出産前は夫婦でコミュニケーションをとる時間も余裕もありますが、子どもが生まれると事情は変わります。妻は育児で精一杯になり、夫とコミュニケーションをとる時間が減ります。

夫といる時間も、夫にイライラをぶつけてしまうこともあります。また、夫に話をしても理解してもらえないと感じ、話をしなくなってしまうこともあります。
こうして、夫婦の溝が深まってしまうこともあります。

私も夫にイライラをぶつけてばかりで、コミュニケーションをとる、ということができていませんでした。いま振り返っても、コミュニケーション不足は仕方なかったと思います。
 

私が産後クライシス真っ只中だったとき、自分が「産後クライシス」の渦中だということにまったく気づいていませんでした。周りの産後のママたちが幸せそうに見えて、なんで私だけ夫とうまく行かなくなってしまったのだろうと悩んでいました。あの時、原因を知っていればもっと心に余裕ができていただろうと思います!

どう乗り越える?離婚を回避するための対策

「産後クライシス」の間に、離婚を考えたことがる人は少なくないようです。
実際、厚生労働省が発表している「全国ひとり親世帯等調査」をみると、
離婚をしたときの子供の年齢が「0歳~2歳」が最も離婚率が高くなっていて、全体の3割以上をしめています。

私も「産後クライシス」に陥っているときは、本気で離婚を考えたこともあります。

 

妻ができる対策

1.産後はイライラしやすいと自覚する

ホルモンバランスが崩れて、いまイライラしてしまうのは仕方のないことだと自分で認めることが大切です。産後はイライラしやすい、寝不足で疲れているし、精神的にも大変なときなんだ、と思うことで、冷静になったり、落ち着いたりします。

イライラしてしまう自分を認めて、自分を責めずに、がんばっている自分をほめてあげることも大切です。

産後は、授乳がなかなかうまく行かなかったり、爪切りが上手にできなかったり、上手くいかないことばかり気になって自分を責めることが多かったです。イライラしている自分も嫌でした。でも、今振り返ると本当にがんばっていたと思います!もっと自分を褒めてあげればよかったと思います。
 

2.夫に自分の状態や気持ちを伝える

夫の行動が、いちいち目に止まりイライラしてしまう、産後クライシスはそういう時期かもしれません。ホルモンバランスのせいも有り、イライラが募り、夫に怒りをぶつけることばかりで、きちんと気持ちを伝えられていない、ということが多いのではないでしょうか。

自分の気持や、大変な状況を言葉にして伝えないと、夫はわからないことが多いようです。
冷静に、自分の気持ちや状況を夫に伝えることも大切です。夫に察してもらいたい、という思いもありますが、子育てに不慣れな夫に察してもらうのは難しいことです。

私も、夫には感情をぶつけてしまうことが多く、自分の気持ちや状態を伝えていない時は、夫との関係は最悪でした。自分の状態や、具体的にこうしてほしい、と伝えはじめてから、最悪な関係が少しづついい方向に変わってきたように思います。

3.自分の時間をつくる

産後は24時間気が張っている状態で、気を休める間もないほどです。できる限り、自分の時間をとることは大切です。子供と離れて気持ちに余裕ができると、考え方も柔軟になります。自分や夫にも優しくなれる余裕もできてきます。

夫に子供と二人でがんばってもらう時間をとると、夫も母親の大変さを実感することができるかもしれません。
夫に頼めない場合でも、家事に手を抜いて、ドラマや映画を見る時間をとってみるなど、自分が楽しめる時間を作ることが大切です。

私は、夜中や明け方の授乳など、つらい時、録画したお笑い番組を見て気晴らしをしていました。笑っていると、気が楽になりますし、ストレス解消にもなったように思います。夫に赤ちゃんを頼んで、少しの時間買い物に出ただけで、本当に心が軽くなったのを覚えています。

4.夫のことを理解する

夫も、産後は戸惑っています。妻と子供をサポートしなければ、と思っていてもどうしたらいいのかわからない、ということが多いようです。
また、妻は妊娠期間を経て、母親になる自覚ができてきますが、夫はなかなか親になる実感を感じられません。妻を手伝おうとしても、イライラしている妻にきつく怒られてしまうと「協力しようとしたのに」と落ち込みます。

また、今まで自分に向けられていた愛情がすべて子供にいってしまうので、寂しさを感じる夫も多いようです。今まで気軽に行っていた同僚などとの飲み会を我慢することも増え、取り残された気持ちを抱えてしまうこともあるようです。
そういった夫のことを少しでも理解すると、気持ちが楽になるかもしれません。

 産後のイライラした時期に、夫のことを理解するのは抵抗があるかもしれません笑
産後、仕事から帰宅すると私がイライラしていて、夫は帰宅するのが辛かったようです。赤ちゃんがいるんだから、それくらい受け入れてほしいところですが、あの頃は私と同じように夫も余裕がなかったようです。

5.第三者に相談をする

身近に、相談できる先輩ママがいれば心強いです。
「私だけかも」と相談するのに気が引けてしまうかもしれませんが、先輩ママは同じ経験をしていることが多いので、親身になってアドバイスをくれたり、経験談を話してくれて頼りになることが多いです。

身近に相談できる相手がいない場合は、地域の子育て支援センター、地域の保健所の保健師さんに相談してみる、という方法もあります。
「女性健康支援センター」や「全国の子育て・女性支援センター」にも相談できます。

相談窓口一覧
・地域の保健所の保健師
 子供の健診などでも関係するので、身近な相談先です。

・地域の子育て支援センター
 子育て家庭の支援を行う施設です。

・子育て・女性健康支援センター
 助産師さんによる電話相談です。全国に拠点があります。

誰かに話しを聞いてもらうと、それだけでずいぶんん心が楽になります。私は先輩ママによく電話をしていました。「多少のホコリで死なないから、掃除しないで寝たほうがいい」など、具体的なアドバイスを貰いました。
 

 

産後クライシスの期間は?はいつからいつまで?

産後クライシスは、出産後2年以内生じるというのが一般的です。終わりはいつなのか。それは、個人差があります。すぐに回復する夫婦もいるでしょう。
このときに冷めた関係がずっとその後も尾を引くというケースも少なからずあるようです。

産後は、別の人生になったのかと思うほど、女性にとっては人生がガラリと変わります。精神的にも肉体的にの極限状態に置かれる中、夫の行動は強く記憶に刻まれます。

夫にとっては悪気のない、自覚のない行動が、妻にとっては心のそこから裏切られと感じ、夫に失望してしまうのです。一旦夫に失望してしまうと、その失望を回復させるのは時間がかかるかもしれません。

長男出産から10年弱立ちますが、産後に夫に言われたりされたりしたことは、未だに鮮明に思い出せますし、思い出すと強い憤りがよみがえります。女性の記憶力ってすごいですよね!
 

そもそも産後クライシスとは?

産後クライシスは、出産後、急激に夫婦関係が悪化することです。
産後クライシスは出産後の夫婦にはよく起こることで、めずらしいことではありません。

産後うつとの違い

産後うつと産後クライシスは違います。産後、夫婦関係が悪化するのが産後クライシスです。病気ではありません。
産後うつはうつ病で、命にかかわることもあります。病気ですので、医師の診察が必要です。

 

まとめ

産後クライシスは多くの夫婦が経験する現象です。子供が誕生するという、人生を一変させる時期です。出産後は産後の大変さはずっと続くように思われますが、一生続くものではなく、一時的なものです。
ここですぐに離婚を検討してしまうのは、早すぎるように思います。夫婦仲は長い時間をかけて変化していくもの。妻と夫も、母として、父として成長していきます!

私も産後クライシスを経験し、本気で離婚を考えた時期もありました。
あの時、もっと産後クライシスについて知っていればよかったなぁ、と思います。
今は夫との仲は良好です。あの時期は、夫と良好な仲に戻るとは想像できませんでした。
夫も私も親として成長したから、関係が良くなったのだと実感しています!