国政選挙などの多いな選挙では、選挙当日の夜に各局で「選挙特番」が放送されます。
速報で「当選確実が出ました!」という報道がされますが、気になるのは「開票率1%」でも当確がでること。
どのように「当選確実」が決まり速報が出されるのかを紹介します。
目次
「当選確実」はどうやって出すのか?
なぜ?開票率1%でも「当確」は「統計学」をもとに出されている
各報道機関は、選挙前や選挙当日に、有権者に「誰に投票するかorしたか」を直接聞き取り調査をしています。
有名な調査は「出口調査」です。投票所前に調査員を配置して、投票が終わった人に「誰に投票したのか」などのアンケートを記入してもらう調査です。
こうして得たデータをもとに、統計学のデーター分析を使い、計算をして「当選確実」をだしています。
簡単に説明をすると、1000人の投票者がいる中、100人から事前に誰に投票したかを聞けば、統計学を使って「当選確実」かどうかが計算できる、という仕組みです。
統計学の詳しい計算方法は下のサイトでわかりやすく解説されています。
岡山理科大学ホームページ
大切なのは計算に使う「調査データ」記者の腕が試される!
統計学の計算で、少ないデータをもとに「当選確実」をだすのですから、どのデータを使うか、データや計算結果にどのような修正を加えるか、ということがとても重要になってきます。
「当選確実」を出すため、報道期間がする調査は?
出口調査
「出口調査」は投票所の前に調査員をおいて、投票を終えた人に「誰に投票したか」を聞いていく調査です。
最近は期日前投票をする有権者が多いので、期日前投票所にも調査員を派遣して調査を行っていいます。
電話での調査
電話での調査は、電話で「選挙で誰に投票するか」「期日前投票に行ったか」などを調査します。最近は携帯電話を対象にした調査も始まっています。
調査で報道機関が注意していること
地域性や住民性の考慮が大切です。候補者の自宅の近くで調査するとその候補者に有利な偏ったデータになってしまいます。そういった地域は外す、といったことする必要があります。どういった地域で調査をするのかが重要です。
また、10代・20代から、30代、40代、50代など、各年代でバランスよく調査して、さらに年代ごとの投票率なども考慮する必要があります。
どの地域で、どの年代にどんなバランスで調査をしていくかということを、各報道機関で判断していきます。
選挙区担当記者による取材と分析が重要!
選挙区担当の記者が、各候補者がどれくらい表をもっているのかという基礎票(労働組合などの組織票など)を事前に分析しています。
他にも直近の選挙の政党別の得票率、街頭演説の聴衆の数の増減、などいろいろなデータを分析しています。
「投票率が5%あがると、当選する候補者が変わってくる」というように、投票率でも変わります。いろいろな要素を加味しながら、出口調査や電話調査を見て、どの候補者に当選確実を出すのか判断するようです。
間違いもある!?「当選確実」は本当に確実か?
各報道期間が勢力を上げて調査分析し、出している「当選確実」ですが、データを集め分析しているのは人。間違いもあります。
当選確実が間違いだった!
2014年の衆議院選挙でNHKが東京21区で民主党長島氏の当確を速報しましたが、実際は自民党の小田原氏が当選しました。
また、2017年の衆議院選でテレビ朝日とTBSが新潟3区の自民党斉藤氏に当確を出しましたが、当選したのは無所属の黒岩氏でした。
各報道機関は綿密に調査・分析をして、本当に「当選確実」と判断してから当選確実の速報を出しています。それでも「当選確実を間違える」ということが起こるのは、やはり「当確」を出すのは難しいケースがあるのでしょうね。
まとめ
報道機関が当選確実を出すまで、そうとう入念に調査・分析を行っているのですね。
それでも間違うこともあるのですね。
次回の選挙ではどの候補に、どのタイミングで当確が出るのかを見るのも楽しみです。