中学受験を考えたときに、一番気になるのはどこの塾にいくか?です。私も子供の塾選びをするときは、しっかり調べました。
大手の有名塾はそれぞれに特徴がはっきりとあります。子供に合う塾に通うことができれば、実力を十分に伸ばすことができます。反対に、合わない塾に無理して通うと、実力を発揮できないばかりか、子供の自信や親子関係といった大切なもの傷つけてしまう可能性もあります。
今回は首都圏大手塾の特徴、費用、実績の違いなどについて紹介します。中学受験の塾選びの参考に慣れば幸いです。
目次
中学受験は大手進学塾がおすすめ
中学受験には大手塾がおすすめです。中小塾でも実績のある良い塾もありますが、やはり大手が安心です。その理由を紹介します。
実績を積み重ねてきたノウハウを持っている
大手の塾は、中学受験を研究し実績を重ねてきた経験があります。なので、中学受験の情報の蓄積があります。
その豊富な情報を活かして、カリキュラムやテキスト、対策テストなどがつくらています。こういったツールを利用すれば、中学受験に学習が効率よくできます。
大手塾は志望校の情報を持っている
志望する中学校の入試問題の傾向や難易度に関する情報や、対策法を大手塾はたくさん持っています。
難関校や人気校は、それらの学校むけの特別授業があり、効率の良い受験対策学習ができます。
塾選びのポイントを解説
子供の個性に合った塾を選ぶことが重要です。ここでは塾選びのポイントと通塾を検討している校舎に行ったときのチェックポイントを紹介していきます。
1.塾の特徴が子供にあっているかをチェック
2.通塾検討中の校舎に行き、説明会・相談会・体験授業に参加する
具体的に一つずつ、ポイントを見ていきましょう。
子供の個性に合っているかをチェック
「通塾を検討している塾が子供にあっているのか」を見ていくことはとても大切です。
大手進学塾といっても、それぞれの塾には特徴があります。テストの結果でクラスが頻繁に変わるサピックスは、競争が苦手な子供にはつらい環境となってしまいます。
同じことをコツコツやるのが苦手な子は、宿題の量が多い早稲田アカデミーだと辛くなるかもしれません。
自分の子供がどのタイプの塾に向いているのかをチェックしましょう。
説明会・相談会・体験業に参加!校舎の雰囲気を見る!
塾それぞれの違いもありますが、同じ塾でも校舎ごとに雰囲気が違います。
実際に通塾を検討している校舎に行って、全体の雰囲気やどんな先生がいるのか、先生が子供にどう対応しているのか、などを確認することが大切です。
体験入塾ができるのであれば、体験後の子供の反応を確認すると、判断しやすいです。
志望校の実績をチェック!塾全体でなく校舎の実績重視!
志望校の実績が塾全体ではいいものの、通塾を検討している校舎では実績が低い、ということもあります。
通塾を検討している校舎での、志望校の実績を確認しましょう。
通いやすさは?高学年になると通塾日数も授業時間も多くなり体力的負担も増える。
通いやすさも塾選びの大切なポイントです。
まずは、自宅からの距離。通塾時間が長いとそれだけで疲れてしまいます。
また、満員電車に乗らなければならない場合も、子供はストレスです。
冬は通塾時間帯の夕方には暗くなります。高学年になると授業時間が長くなり、塾を出るのが21時を超えてきます。
塾周辺や通塾路の治安や交通状態は確認が必要です。子供が実際に通塾する時間帯に一緒にいって確認をするのが一番です。
最後に校舎に行ったときのチェックポイントをまとめます。
1.校舎全体の雰囲気をチェック
2.どんな先生がいるのかをチェック
3.先生が子供にどのように対応しているのかをチェック
4.体験授業があれば、体験後の子供の反応をチェック
5.その校舎で志望校に何人合格をしているかをチェック
6.通いやすさを、実際に通塾する時間帯にチェック
首都圏にあるおすすめの大手進学塾8塾を比較!特徴と実績は?
首都圏にあるおすすめの進学塾の特徴と実績を見ていきましょう!
SAPIXの特徴と実績|御三家に強い人気進学塾。塾も難関
御三家などの難関校に強い実績を誇る有名進学塾です。難関校を志望する場合、まず最初にサピックスを検討されるご家庭は多いでしょう。
予習なし!復習に徹する効率重視のスタイル。
難関校の実績が高いだけあり、勉強が得意な子供が多く在籍しています。授業も成績上位の子供たちに合わせて進められています。
家での予習がないので、授業ではじめて新しいことを習います。習ったことが理解できる子供はいいですが、理解できていない場合は、わからいまま授業が進んでしまいます。これが積み重なると取り残されてしまう危険があります。
サピックスの先生もおっしゃっていましたが、精神年齢が成熟している子供は自分で学習をしていけます。裏を返せば、そうでない子供は家庭での相当のサポートが必要となります。
よほどできる子でない限り、親のフォローがなければやっていくのが難しい塾です。
また、成績上位者は別ですが、子供ひとりひとりへの対応力は低くく、子供にあった指導やフォローは期待できません。
1~2ヶ月に一度のテストで頻繁にクラスが変わる
テストの成績によって、頻繁にクラスが変わるのもサピックスの特徴です。クラスが変わると先生もかわります。
物怖じしない子、適応力の高い子は問題ないかもしれませんが、新しい先生にすぐ慣れる必要があります。
上位クラスも、下位クラスも授業内容は同じです。授業は上位クラスに合わせて進みますので、下位クラスにいると大変かもしれません。
サピックスは難関校に強い人気の塾ですが、レベルや特徴が自分の子供に合っているかをしっかりと見極める必要のある塾でもあります。
サピックスの実績は?
ボックス筑波大付属駒場(73人)、開成(273人)、麻布(183人)、桜蔭(175名)、女子学院(125名)、渋谷幕張(351人)、渋谷渋谷(214人)、慶應義塾中等部(144人)、早稲田(206人)
早稲田アカデミーの特徴と実績|多量・反復学習で実績アップ。
実績を伸ばしてきている早稲田アカデミーも人気の進学塾です。サピックスと比較をして、どちらかに通う、というケースも多いようです。
繰り替えし、多量の学習スタイル。熱血指導と言われる先生たち。
早稲田アカデミー(通称早稲アカ)は四谷大塚の「予習シリーズ」を使って授業をしています。
また、早稲アカ独自の「Wベーシック」を補助教材として、こどもの学力レベルにあった授業を展開しています。
この早稲アカの特徴は「量が多い」ということです。先生の熱血指導のもと、量をこなして実力アップ!が早稲アカスタイルです。
他の塾に比べると宿題量がとても多く、宿題をしてこないと先生に叱られます。
やることがはっきりしているので、親は指導しやすいですが、宿題の量の多さに子供が疲れ切ってしまうこともあります。
また、大量の問題をとき続けることで、思考型ではなく暗記型の学習になります。思考力を問う難関校をめざすなら、サピックスのほうがいいかもしれません。
子供一人ひとりをみてくれる体制があり、保護者とのやりとりも熱心です。
早稲田アカデミーの実績は?
ボックス筑波大付属駒場(39人)、開成(103人)、麻布(65人)、桜蔭(73名)、女子学院(60名)、渋谷幕張(176人)、渋谷渋谷(68人)、慶應義塾中等部(62人)、早稲田(161人)
日能研の特徴と実績|中堅校、下位校、難関校全てをフォロー
中学受験専門の日能研は、日本で最大の中学受験塾です。
中堅校に強い日能研。どの学力の子でも入塾できる
日能研の特徴は、どの学力の子でも入塾でき、取り残されることが少ないということです。
宿題は他の塾に比べると少なくて、学習の進度も遅めです。同じことをじっくり学習させるスタイルで、コツコツ学習をしていくことが向いている子供にはあっています。
中堅校に強い塾ですが、日能研で難関校を目指すのなら早い段階で上位クラスに在籍することが必要です。日能研はクラスによって学習内容が変わります。ただ、クラス替えの頻度が少ないので、上のクラスに上がるのが遅くなると、不利になってしまいます。
中堅校狙いで、じっくりコツコツ学習する子供に向いている塾です。反対に、難関校を目指して、バリバリ勉強していこうという子供は他の塾が向いているかもしれません。
日能研の実績は?
ボックス筑波大付属駒場(10人)、開成(42人)、麻布(69人)、桜蔭(28名)、女子学院(78名)、渋谷幕張(141人)、渋谷渋谷(58人)、慶應義塾中等部(24人)、早稲田(78人)
四谷大塚の特徴と実績|予習シリーズが高評価の老舗塾
他塾でも採用されるほど、完成度の高いテキスト「予習シリーズ」をつかったカリキュラム。
定評のある「予習シリーズ」でしっかり予習
評価の高いテキスト「予習シリーズ」を使って、しっかり予習して授業に臨むのが理想のスタイルです。
「しっかり予習」「復習」「確認テスト」を繰り返して授業は進んでいきます。
ただ、予習シリーズは親がしっかりとサポートする必要があります。子供が予習ナビをみてしっかり予習ができるよう、親の役割が大切です。
週の確認テストまでに復習を終わらせる必要がありますが、予習も大変なので、復習に手がまわらないということもあります。
親がペース配分をしてあげることが大切になります。
四谷大塚の実績は?
ボックス筑波大付属駒場(31人)、開成(110人)、麻布(66人)、桜蔭(57名)、女子学院(52名)、渋谷幕張(189人)、渋谷渋谷(93人)、慶應義塾中等部(98人)、早稲田(173人)
栄光ゼミナールの特徴と実績|子供に寄り添う進学塾
少人数制で子供ひとりひとりの個性を大切にしてくれると定評です。
栄光ゼミナールは少人数制の人気大手塾。子供ひとりひとりの個性を重視。
栄光ゼミナールの特徴は少人数制。少人数制にしている理由は、子供ひとりひとりの個性と理解度を把握して、授業をしていきます。
この子供に寄り添うスタイルは、小学生の塾としてはとても大切だと思います。
授業は繰り返し学ぶカリキュラムで進められています。少人数制でアットホームな雰囲気で授業は行われますが、他の塾のように競争しながら伸びていく、といった効果はありません。
また塾内テスト「アタックテスト」は塾生中心の参加者で行われるため、偏差値が高く出る傾向があるようです。他の塾のテストを受けて、その結果もみて志望校をきめていきましょう。
栄光ゼミナールの実績は?
ボックス筑波大付属駒場(12人)、開成(19人)、麻布(20人)、桜蔭(4名)、女子学院(10名)、渋谷幕張(25人)、渋谷渋谷(13人)、慶應義塾中等部(4人)、早稲田(12人)
グノーブルの特徴と実績|サピックスの進化系?難関校を目指す家庭に人気
グノーブルはサピックスから独立した先生が設立した塾です。評判もよく、実績も出している塾です。
グノーブルの特徴と実績|ハイレベルでも子供ひとりひとりを大切にする。
東京を中心に9校ある進学塾。難関校を目指す子供向けのハイレベルな学習内容です。サピックスと学習レベルは似ています。
グノーブルの特徴は子供ひとりひとりと向き合うことを大切にしているというところです。授業内容はサピックスと同程度のハイレベル、それでいてひとりひとりを大切にする、という方針が「サピックスの進化系」と言われる所以です。
また、先生の質も高く、教材も完成度が高いと定評があります。子供のミスするポイントを押さえて、決めの細かい指導をする、という声もあります。
競争の激しいサピックスが合わないという子供にはむいているかもしれません。反対に、競争しながら伸びていくタイプの子はサピックスに向いています。
グノーブルの実績は?
ボックス筑波大付属駒場(5人)、開成(12人)、麻布(11人)、桜蔭(10名)、女子学院(5名)、渋谷幕張(35人)、渋谷渋谷(14人)、慶應義塾中等部10人)、早稲田(4人)
市進学院の特徴と実績|千葉での実績に定評。
千葉での実績は、サピックス、早稲アカに迫る勢いの市進学院です。
千葉での実績に定評。拘束時間の短さも魅力。
千葉県の中学校にとても強い塾です。拘束時間が短く、お弁当がいらないことも大きな特徴です。
家でご飯が食べられるのは小学生の子供にとってはうれしいですね。
また、5年生から本格的な受験対策コースが始まるので、5年生から受験をスタートするのにいい塾です
市進学院の実績は?
ボックス開成(12人)、麻布(4人)、桜蔭(9名)、女子学院(4名)、渋谷幕張(44人)、渋谷渋谷(1人)、慶應義塾中等部(3人)、早稲田(15人)
ena小学部の特徴と実績|都立中高一貫校をねらうならena
都立一貫校にとても定評があるenaです。
都立中高一貫校受験といえばena小学部!中高一貫校の合格率が高い!
ena小学部の特徴はなんといっても公立一貫校に強いということです。
また、拘束時間も短く、授業料も他の大手進学塾よりも抑えられています。
私立受験対策ではなかなかカバーされない、公立一貫校向けのカリキュラムが組まれているのも、公立一貫校を目指す子にとっては魅力です。
enaの実績は?
ボックス 小石川(58名)、両国高付属(35名)、桜修館中(51名)、武蔵高付属(84名)
費用はいくらかかる?大手8塾の授業料を比較
塾が子供に合うかどうかも大切なポイントですが、費用がどれくらいかかるのかも、とても大切なポイントです。
大手8塾の入会金・授業料の比較
授業料が跳ね上がる6年生の授業料と入会金を一覧にしました。
入会金 | 授業料 | |
---|---|---|
サピックス | 32,400円 | 58,320円 |
早稲田アカデミー | 21,600円 | 43,200円 |
日能研 | 21,600円 | 40,824円 |
四谷大塚 | 21,600円 | 56,700円(7月まで) 78,300円(9月から) |
栄光ゼミナール | 0円 | 54,000円 |
グノーブル | 16,200円 | 56,160円 |
市進学院 | 15,750円 | 39,480円 |
ena小学部 | 0円 | 36,720円 |
※入会金・授業料は変わることがあります。目安にしてください。
授業料だけでなく、夏期講習などの「季節講習」「入会金」「教材費」「定期テスト」「模試」などの費用が別途かかります。
こういった様々な費用を入れた総額だと、年間授業料の倍以上かかる塾もあります。
総額で費用がどれくらいかかるのかを次で見ていきましょう。
いくらかかる!?中学受験の総額
6年生の1年間と、4年生から6年生の3年間のおおかまな費用の総額をみてみましょう。
4年生~6年生 おおよそ200万円~250万円
繰り返しになりますが、6年生では塾の費用が跳ね上がります。
5年生の2倍くらいになる塾もあります。
理由を説明すると、まず授業日数が増えす。通常授業もそうですが、夏期講習などの季節の講習が増えてきます。また、さまざまな模試を受けるのにもお金がかかります。
さらに6年生は、「志望校別対策講習」「算数特別教科講習」など、特別講習の費用もかかってきます。
中学受験の塾。いつから通い始めるのがいい?
中学受験の塾、いつから通いはじめるか?これもとても気になるポイントです。
詳しくはこちらで書いているのでご覧ください。
最も多いのは3年生の2月
大手の塾は2月が年度の始まりとなっています。受験勉強が本格化するのは5年生。それまでに塾に慣れ、勉強の習慣をつけておくには4年生から通塾しておくことが大切です。
おすすめは3年生の夏期講習~9月頃に入塾
3年生の夏頃に入塾がおすすめです。
サピックスなどの人気塾は入室テストで不合格になることもあります。次の入室テストに向けて対策をするための時間的余裕が合ったほうが安心です。
また、サピックスは校舎によっては4年生の早い段階で募集停止(定員オーバーになるため)をかけるところもあります。サピックスに通塾を検討する場合は特に、早めの入室がいいでしょう。
中学受験で忘れてはいけないこと
中学受験は、子供がまた小さいため、親の影響力がとても大きいです。親が余裕を持って受験に取り組むことがとても大切です。
中学受験で人生は決まらない
中学受験は人生の通過点です。どんな結果であれ、この先の子供の人生のプラスになるようにチャレンジしていくことが重要です。
あまりに志望校合格にこだわりすぎると、子供に過度のストレスがかかってしまいます。子供は受験に対して不安や心配を感じていることが多いです。子供が追いつめられていかないよう、親のサポートが大切です。
塾は使われるものではなく、使うもの。
塾の支持にしたがって学習を続けていくこともいいと思います。ただ、わからないこと、疑問に思ったことは遠慮なく塾に聞いていく姿勢が大切です。
中学受験は、子供では対応しきれない事が多いので、親が出ていくこともいろいろな面で必要になります。
塾を効率よく使って子供の学習力を伸ばすよう、塾とのコミュニケーションをとっていきましょう。
子供によって、高校受験や大学受験のほうが成果が出せることもある
中学校受験では子供にまだ幼さがあり、長時間集中することが苦手な子、やりたくないことはやらない子、など中学受験では力を発揮しないタイプの子もたくさんいます。
中学生になり、将来の明確な夢や、「あの高校に行きたい」というはっきりとした目標ができたら、急に集中して学習に取り組んで難関校に合格した、という話もあります。
子供の特徴によって、中学受験で力を発揮するタイプ、高校受験で発揮するタイプ、大学受験で発揮するタイプとさまざまです。
まとめ
大手進学塾といっても、さまざまなタイプの塾があります。
「実績」や「評判」だけでなく、子供に合った塾かどうかという視点で塾選びをしていくことがいいと思っています。
中学受験の塾選びに少しでも参考になれば幸いです。